「雛殿、清明殿、お茶です

青龍殿、玄武殿はこちらに

おい、馬鹿王、判を早くしろ」

…私達には丁寧なのに庚様に対し
ては容赦無く罵る篁殿

「ほんに上手いな、

菓子も程よい甘さじゃしのぅ」

菊乃様は微笑みながら食べる

「恐れいります、

この馬鹿は味覚もおかしいですし

繊細さのかけらすらないですし

あ、清明殿達はいかがですか?」

優しい微笑みだが、態度が…

「気にするでない

いつものことじゃよ

あやつらは仲良しじゃからなあ」

優しく微笑む菊乃様は、母親の、
子を見守る眼差しに似ていた

理桜様も似た目をしていたな…

「清明、そなたも我が子孫たる娘
も、妾の我が儘の為に多大な犠牲
を払う事になる

今はまだ語れぬが、時が満ちたら
必ず答えが見つかる

有るべき場所に帰れる

全ては繋がっておる」

真剣に語る姿は神々しくさえ感じ


「本当に…」

「応、歯車はそなたがきてから廻
り始めた

いずれ知るはず」