「あっそうだ愛華」


そう言って
キーホルダーを
私に差し出す愛華



「え…」



思わず心臓が
止まりそうになった



小さなロケットのついた
キーホルダー



「ま…りん…これ…」



「彼が愛華に渡せって…」


そう言って
小さく俯く眞鈴



眞鈴…私受け取れない
これだけは





思い出の品だけど
受け入れられない



「愛華…」



小さく首を振る私に
愛華は泣きそうな目を
しながら私の手に
キーホルダーを
握らせた



暖かい手にこんな時でも
ドキッとする


「愛華ごめん…」



そう言いながら
眞鈴はさらに
私の手を握った



「眞鈴…」





私は眞鈴が
一番大事だよ…




だから私のためなんかに
泣かないで