「どの子?」
1年生の女の子達が指をさす。
「あの教室の一番前の子と、窓際で友達と話している髪の長い子です。」
・・・。ちがうな、昨日の子はもっと茶髪で明るい色だった。
「このクラスで茶髪の子いる?」
もう疲れたからこれでいなかったらあきらめよう。
「う~ん。いないです。」
女の子が考えながらいう。
昨日の女の子は1-5じゃなかったのか。
「そうか、ありがと。」
「いえいえ。」と女の子達が笑う。
帰ろうと思ったとき、ある男の子が目に入る。
「あっ、あの子ですよ!フウタって」
女の子があたしに言う。
あの子、どこかで見たことあるような・・・。
クリっとしたあの大きな瞳。
整った顔立ち。
・・・似てる、昨日手紙を渡してくれた女の子に。
双子とか?かな。
「フウタ君、アオイさん来てるよ!」
女の子達の一人が言う。
ちょっと待った。
違うほうかもしれないだろ!
心の中でツッコんどく。