『1人にしないで』


暗闇の中、
だれかが泣きながら言った。


…………だれ?


そう思っていると

だんだん誰が泣いているのかが明確になっていく。




あぁ……。

この人は――――。



すると
あの頃の俺は無邪気な笑顔で
言うんだ。



『僕がいるよ。ずっと』



“ずっと”

そんな曖昧な言葉を
俺は信じていた…………。


――望んじゃダメなのに。


そこに待っているのは…………