そんな雪原を
あたしは優しく抱き締めた。



「……幸音ちゃん?」


「……」


こんな雪原に
何を言ってあげれば良いのか
あたしには
分かんないよ……。


でもね?
抱き締めてあげることは
できるでしょ…?



「理由、聞かないんだ?
血が恐い理由」


「言いたくないでしょ?
……大丈夫。
雪原からいってくれるのを
あたしは待ってる」



あたしが
そう言うと雪原は
あたしを抱き締め返した。



「今だけ……このままでいさせて…………」



掠れるくらい小さな声だったけど、あたしにはしっかりと聞こえた。