「――――……」



なんだろ?

微かだけど声が聞こえる。

その声は
どんどん大きくなっていった。



「――――の」



「――――…らの」



「原野ッッ」



しっかりと声が聞こえた時には教科書で
頭を叩かれていた。


「…ここは?」



呑気にあたしは周りを見渡しながら欠伸をした。



「……教室だ。ついでに、今は楽しい楽しい化学の授業だぞ、原野」



化学の先生は
笑っているのに目は笑っていなかった。