傷つき、苦しんだことを
偽物の笑顔で
隠そうとしてるんだ……。
「―――って、事で。
俺は帰るね。
もう俺には関わんないで、幸音」
それだけ言うと
雪原はあたしに背を向けて
歩き出した。
なんで……
こういう時に“幸音”って
呼ぶのよ……!
「雪原っ」
「……!!」
あたしは再び追いかけて
雪原を後ろから抱き締めた。
「…なに?
諦めたんじゃないの?」
「諦めない…っ」
雪原?
あたし思うんだ。
最後にあたしを“幸音”って
呼んだのは…………
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…