でも、
あの時の俺は望んでいた。


ずっと
このままで……
父さんと母さんといられますようにって。


ずっと……永遠に。



永遠なんて、存在しないのに



信じてしまった結果がこれだ。



父さんが出ていって
俺と母さんを
捨てたという絶望。


そして


母さんが俺の目の前で死んだという哀愁。



きっと望まなかったら
ここまで
思い詰めることもないんだ。



俺は知った。



永遠を望めば
そこに待っているのは
“哀愁”と“絶望”なんだって



そして…………

俺は笑顔すら失った――――。