あたしを涼太君から
助けてくれたり
壁に押し付けたりしたくせに
なんで一瞬にして
雪原はいなくなっちゃうの?
「雪原のバカ!!」
「えっ……幸音ちゃん?」
あたしは、いつの間にか雪原を追いかけていた。
走って…走って……
雪原に追いついた所で
あたしは後ろから雪原を抱き締めた。
「キライじゃないって言っといて離れるの!?
…あたしの気持ちも知らないで」
「…幸音ちゃんの気持ち?」
あたしが言ったことに対して
雪原は首を傾げて聞き返した。
ねぇ、神様。
あたしにだって
伝える時間を ちょうだいよ。