「それは違うよ――――」


「えっ…」


雪原が真剣な眼差しで
あたしを見つめた。


綺麗な顔で見つめられて
不覚にも今の状況で胸が高鳴った。



すると、さっきまで
あたしを壁に押し付けていた雪原が、ゆっくり離れた。



「……でも俺、幸音ちゃんと
一緒にいれない」



「……ぇ」



あたしが「どうして?」と問いかける前に雪原は歩き出した。




「じゃあね」と
悲しく笑って手を振って…。



それは、まるで
永遠の別れを感じさせるようで…………


あたしは怖くなった。