「涼太っ!何してんだよ」


バンッと勢いよく開く教室のドアに、あたしも涼太君も固まった。



――――雪原…。


雪原だと認識した直後、雪原はあたし達に近づいて
涼太君からあたしを離した。



「……どーしたの?
そんなに怒っちゃって」


可愛く笑う涼太君だけど
目は笑っていなかった……。



「幸音ちゃん、泣いてるだろ?」


あたしの顔をチラッと見て
雪原は言う。


「…………まだ半泣きじゃん」



「涼太ッッ!!!」