それを涼太君は
静かに聞いてくれた。
「それは違うよ。幸は幸音を嫌ってない」
励ましも込めて、言ってくれる涼太君が嬉しい。
嘘だって分かってるけど
それだけで
心が自然と癒された。
「ありがと。嘘でも嬉しい!
これからは…友達として接していくね」
あたし、頑張んなきゃ。
この想いが
雪原の迷惑にならないように……――――。
すると涼太君は
なぜか大きな溜め息をつく。
「……仕方ないなぁー」
「へっ?」
…………涼太君?
「分からせてあげるよ。
幸にとって、
幸音はどーいう存在か…」
その言葉を理解するのは
ちょっと先のことであった。