「ごめんね。
俺……幸音ちゃんがキライだ」


真っ直ぐな眼差しで
あたしを見ているはずなのに
どこか目が泳いだ気がした。



最後の言葉が
あたしの胸を強く疼く。


やっと、やっと好きだって気づいたのに……


あたしは何も伝えられないままフラれた。



「……」



言い返す言葉がなく、
あたしは俯いた。


ただ、その後
雪原が通り過ぎたのを
横目で確認した。




その時に女の子たちの馬鹿にした笑い声が聞こえたけど、
あたしはやり返す事もできず
ただ佇んだ。