「雪原!」 ――――なのに。 「…………」 雪原は笑うわけでもなく、 作り笑いをするわけでもなく、 ただ冷たい眼差しで あたしを見たんだ……。 その凍りついた瞳に ビクッと背筋が震えた。 だって、あたし…… 「ゆ…ゆ、き……はら?」 「なに?……邪魔なんだけど」 ――――こんな雪原、知らない あたしが立つ所まで来て 見下す雪原。 あたしがいる場所を 通りたいらしい。 だからって…… 邪魔っていう……?