――――数十分後。


規則正しい寝息が
聞こえ出した。


寝ているその人は
ほんと気持ち良さそうに眠っている。


まるで
安心しきってるように…。


さて…………

あたしは帰るか。


雪原が強く握る手を
あたしは
ゆっくり離した。

ちょっと寂しいな……。



でも、
あたしがいない方が
もっと
雪原は落ち着くと思うし。


あたしは
雪原の髪を優しく撫でて
そっと立ち上がった。




「またね」




そう言い残して……。