「会いたいなら、会いに行けばいいじゃない?」

ポンっと肩を叩かれた。

「でも…大地くんがどこにいるのかわからない」

「今の時間なら、まだ会社じゃないかな?場所教えてあげるから、行ってきなさいよ」

「…店長、知ってるの?」

「オカマの情報網、なめちゃダメよ。ちょっと待ってね、今地図書くから」

オカマの情報網って…


唖然としている間に、ちゃちゃちゃっと地図を書いて渡してくれた。

「大地くん、喜ぶわよ。こんな可愛い女の子が会いに来てくれるんだもん」

「そんなこと…」

「ほら、早く行ってきなさい。会いたいんでしょ?」

「うん」

「帰りに二人で寄ってね、待ってるから」

「…ありがとうございました」

店長に頭を下げると、駅に向かった。


さっきまでの不安が少し和らいだ気がした。


足取りがさっきよりも、軽い。