「は?」

突然に謝られ、理解ができない。

「…謝られる覚えないんだけど」

ぽんぽんっと頭を叩き、頭を上げるように促す。

「昨日…夜遅くまで、大地くん居てくれたんですよね?今日、お仕事だったのに…」


「あ…あぁ」

そのことか。

「別に、気にする事じゃないけど…それよりー…」

「あと!!」

話を続けようとしたが、少女の声に負けた。

「病院のお金…まだ、大地くんに返してない」

「いいよ。それも、気にしなくても」

忘れてたというか、気にもかけてなかったぐらいだ。

それより…

「お前が、昨日泣いてたのー…」

「ダメ!!…です。今日、返しますから…えっと…」


なんだか…

「…」

今日は、おかしくないか?


少女は、セーラー服のポケットから財布を取り出し、お金を出そうとしている。

その手は、微かに震えているようにも見えた。

「…」

怯えているー…?



何に?