「ふぁぁ…ぁ」
ヤバい、眠気に襲われてる。
落ちそうになる瞼を擦りながら、パソコンを打つ。
少女が泣き止むまでずっと家に居たら、帰るのが夜中になってしまった。
よくも、まぁ…
あんなに涙が出るよな…
てか、どうして急に泣き出したのか聞くに聞けなかった。
まぁ、あの様子じゃ…母親が原因だろうけどー…
「何、寝不足なの?」
「柊…あぁ、ちょっと」
「どこの女と遊んでたのよ?妬けちゃうなぁ」
「あ…遊んでないし、変なこと言うな」
一瞬、ドキっとした。
少女と一緒に居たなんて言ったら、社内で変な噂流される。
「怪しいなぁ…まぁ、いいや。今日私たち、外回りだって。そろそろ行きましょう?」
「あぁ、悪い。すぐ準備する」
パソコンを閉じ、脱いでいたジャケットを羽織った。
「…行くか」
小さく溜め息をつき、カバンを持って社内から出た。