「おい!」

「!」

「…大丈夫か?また、お前…」

あ…

大地に呼ばれ、我に返った。

病室を見上げたままの状態で、黙り込んでいたみたいだ。


「…大地…くん?」

「ん?」


大地くんに出会ってから、真っ暗だった世界に光りが見えた。

どうして、大地くんだけがカラフルに鮮明に見えるのかはわからないけど…


「大地くん!」

「うぉっ…」


今の私には、大地くんしかいない。


「どうした!?傷、痛いのか?」

「うぇっ…ふ…」

「…どうしたんだよ、一体…」

泣きながら抱きついた私を、大地くんは溜め息をつきながらも、優しく頭を撫でてくれた。



その手は温かく、全身が包み込まれるように感じた。