「ご家族の方ですか?先生の方からお話があるのですが、よろしいでしょうか?」


手術室から出てきた看護師が、こちらに向かって走ってきた。

「は…はい!」


お母さんとお父さんは涙を拭いながら、看護師の後に付いて行った。


「…」


一人残され、呆然と手術室の前で立っていると手術室の扉が開いた。


「あ…」


出てきたのは、色々な機械に繋がれたお姉ちゃんだった。


「お姉ちゃん!」

飛びつく勢いで駆け寄るのを、看護師に制止されてしまった。

「今は動かしちゃ、ダメよ。病室に運ぶから、そしたらゆっくり話しかけてあげてね」


「う…うん!」



ベッドで寝たままの姉の後を追い、病室へと向かった。