ピクリとも動かない、お姉ちゃん。


かすり傷程度の、私。


慌ただしく同じ救急車に乗せられ、病院へと向かった。


救急車に乗っている間、呆然とお姉ちゃんの顔を見ていた。


真っ青な唇、血だらけの担架。


慌ただしく動く、救急隊員の人。



「…」




お姉ちゃん、死んじゃうのかな?



「…っ」





私のせいで、お姉ちゃんが死んじゃう。



「あっ…」



私がー…飛び出したからー…



「ふっ…ぅ」





お姉ちゃん、死んじゃうかもしれない。






そんなの、嫌だ。





「お姉ちゃん…お姉ちゃん!!」


「動かしちゃダメだよ!」



救急隊員の人に止められながらも、病院に着くまで必死にお姉ちゃんを呼び掛けた。