七年前ー…
私には、6つ年上のお姉ちゃんがいた。
すごく大好きで、いつも付いて回ってた。
あの日もー…
「ユキ、危ないから。今日は付いてこないで」
中学一年だったお姉ちゃんの後を小学1年の私が、その日も付いて回っていた。
「いーや!行きたい!ユキもいくー」
「ダメだってば!」
そんなことを繰り返しながら、道路を歩いていたときだった。
「お母さんに怒ってもらうからね!二度と付いてこないように」
「いやー!お姉ちゃん、待ってよー」
横断歩道を先に渡った姉の後を追い、渡ろうとしたときだったー…
パァパァー!
大きなクラクションと共に、視界いっぱいにトラックが映った。
「!」
「っ…ユキ!」
すぐそばで聞こえた、私の名を呼ぶ姉の声。
一瞬で、目の前が真っ暗になった。
数秒後、聞こえてきたのは騒がしい大人たちの声。
やっと、光が見えたと思ったらー…
「…ひっ」
自分の手にべったりついた、真っ赤な血が見えた。
その血は、自分のじゃないことがすぐにわかった。
だって…
車に引かれたのは、私じゃなかった。
前を歩いていたはずの、お姉ちゃんがー…
道路の真ん中でグッタリと、仰向けに倒れていた。