頭を上げると、少女はテーブルに置かれたカレーライスを片付けようとする。

「いや、食べるよ」

「でも…」

その手を阻止するよう掴み、再びカレーライスをテーブルに置かせた。

「せっかく作ってくれたんだから、食べる」


余計なことを言ってしまったお詫び…と、心の中で言い、食べ始める。

「う…」


口に含むとやっぱり、甘ったるい味しかしない。


けど、手を止めることはなかった。


ひたすら食べ、食べ終わる頃にはー…



「げふ…」



デザートとゴハンを同時に食べると、こんな味がするんだな。
何か、胃の中がめちゃくちゃで意味わからん。



「片付けますね。今、お茶も用意します」


「あぁ、ありがとう」


食べ終えた皿を片付ける少女は、少し嬉しそうに見える。


「ふぅ…」


…嬉しそうなら、いいか。



いっぱいになったお腹をさすりながら、そんなことを思っているとー…





ガタガターー!!


「!?」



台所の方から、次々と物が落ちる音が聞こえた。