じっと男性を見ていると、またー…


「あの…」

やっぱり、さっきのは見間違いじゃなかった。


「変なこと聞いてゴメンね。じゃ」


男性は、さっさと店から出ようとしている。


え…ちょっと…


咄嗟に身体が動き、男性のYシャツの裾を掴んだ。




「…えっと…何かな?」

振り返った時に男性は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに笑顔を作った。


もう一度顔を見て、改めてわかった。


「…命の人…」


一番最初に見たのは、間違いじゃなかった。


「え?」