もう一度その人を見上げると、元に戻っていた。

…気のせいかー…


小さく溜め息をつくと、その人の横を通り過ぎ弁当コーナーへと向かった。



「…ふぅ」


毎日のように来ていると、変わり映えのしない弁当に溜め息が出てしまう。


あれは、昨日食べた…

あれは、おとつい…



そんなことを考えていると、背後からコソコソと話しているのが聞こえた。

チラッとその様子を見てみると、さっきの男性と店員らしき人がこっちを見て何やら話している。


…居心地悪いな…
さっさと選んで帰ろう。


そう思い、適当に弁当をとろうとしたときだったー…



背後に人の気配を感じた。

しかも、めっちゃ近く。