誰とも会わなくて良かったー…とりあえず、1週間ぶんのご飯は買ったから…

そんなことを考えながら、夜道を1人で歩いていると家の目の前に見覚えのある二人が立っていた。


え…



「…大地くん!?店長!」


思わず、声が出てしまった。

あ、しまった…


「ユキちゃん!?」

店長の驚いた声が聞こえ、大地くんがこっちを向いた。



どうしよう…どうしよう…
こっちに来る。


「あ…」



逃げなきゃ!



こっちに向かって来てる大地くんと店長に背を向け、走り出した。


「はぁ…はぁ…」


今、大地くんに会ったら絶対ー…


「いやだ…」



大地くんのことを忘れなきゃ。
初めからなかったことにすればいい。
って思っていたのにー…

こんな夜道でも大地くんはカラーで、やっぱり運命の人なんだと思ってしまう。



「!」


腕を捕まれ、走っていた足を制止させられた。


「おい…」


2週間ぶりに聞く、大地くんの声。


「ふっ…」



声でも私の心に響き、涙が溢れ出てしまう。