は?
「大地だって気付いてたでしょ?私の気持ち」
柊の気持ちー・・・
「いや、全然・・・」
気付かなかった。
「何それ!大地のくせに!!営業部No.1のくせに!!」
「俺のくせにって・・・」
「女心に気付かないなんて、サイテー!!!」
こんな柊の姿は初めてみた。相当、酔っぱらってるな?
「サイテー・・・って。はぁー・・・柊、呑みすぎたんだろ?やっぱ、帰って早く寝た方がいいよ。話は今度聞くから」
不審者の次はサイテー男で噂が広がったら、たまったもんじゃない。
「車で送る。マンションまで歩けるか?」
フラフラの柊の身体を支え、マンションに向かって歩き出す。
まだ隣でブツブツと柊が何か言ってるが、声が小さすぎて聞こえない。
"好きなの、大地がー・・・"
全く気付かなかった。
酔っぱらってるから本心かどうかわからないけどー・・・
もし、本心なら俺は何て答えるんだ?
柊は付き合いやすい異性の一人であって、恋愛対象で見たことがなかった。柊も同じ気持ちだと思っていた。