不審者・・・不審者呼ばわり・・・
「大地じゃん!」
名前までバレてー・・・俺、もう終わりか?
「久しぶりだな!大学卒業以来か?」
俺の最終学歴までバレてー・・・ってー・・・
「老けたなぁ!スーツ似合いすぎだぞ」
声を掛けてきた人物をよく見てみると、ジャージ上下の男で顔には見覚えがー・・・
「・・・あ!」
少しウェーブがかかった髪に、左の泣きホクロ。
「黒木か!?」
「そうだよ。今気付いたのか?」
笑いながら黒木が肩を叩いてきた。
「いてぇよ、相変わらず馬鹿力だな」
「仕事柄、身体鍛えてるからな」
身体鍛えてる?
「仕事何してんだよ?」
「中学校の教師」
「教師!?」
こいつが!?
「あれ、卒業するとき言わなかったけ?」
「聞いてねぇ」
そういえば黒木、俺と違う学部で教育学部だったんだ。サークルで会ったときは、遊びの話か馬鹿話しかしてなかったから知らなかった。
黒木が中学校の教師かー・・・
ん?
中学校の教師ってー・・・
「ちなみに、どこの中学校?」
「ん?聖斗中学。ここからすぐ近くにある学校だよ」
「へぇー」
確かあの少女、聖斗中学の制服着てたよな?
「昨日、中学生を泣かしてるスーツ姿のオッサンがいたって学校に通報があって、今見廻りしてるとこだったんだ」
おい。
「大地はいつもこの時間にここの道通るのか?もしそうなら昨日、見なかったか?怪しいスーツのオッサン」
確実に俺のことじゃねぇか!!
しかも、怪しいスーツのオッサンって!!
俺はまだ30歳だ!!しかも、怪しくねぇし!