「…ただいま」 学校から帰ると、玄関の扉を開けた。 誰もいない家に挨拶することは、もう慣れた。 リビングに入ると、慌てて誰かが出て行ったのだろうか…あちこちに、洋服が散乱している。 「…」 その一枚一枚を片付けるのは、私の仕事。 そこを片付けてしまえば、後は何もない。 生活感が全く感じない家へと、変わる。