店の自動ドアが開いた。


「店長、いつもの・・・」

ドクン。

店に入ってきたのは聞き覚えのある声の人。

暗闇にいた心が一気に引き上げられた。



「だ…大地くん!帰ったんじゃなかったの!?」

慌てた様子の店長。

「…それは、こっちのセリフ…」

不機嫌そうな大地くんの声。

ドクン、ドクン。

息が苦しい。
やっぱり、もうー…


「もう、いいわ!大地くん、ユキちゃん送ってきなさい!」


「は?」

へ?


荒々しい店長の声。

「俺は、タバコを買いに…」

「送ってからじゃないと、タバコ売らないわよ!?」

「売らないって…」

「早く帰った、帰ったぁぁ」

「うぉっ」
「きゃっ…」

何が起こったかわからない。

急に店長に背を押され、大地くんと一緒に店内から追い出された。