キケトはエルフだけでなく、多くの種族に書簡を送っていた。

 ヤオーツェの親書からすぐあと、よもやエルフからも手紙が届くとはと、事の深刻さにそれぞれの長老たちは頭を悩ませた。

 それに真っ先に反応したのはケジャナルだ。

 まずリュオシャルを説得し、それから二人は共にリザードマンとガビアリアンの双方を説き伏せた。

「二人で?」

「そうダ」

 我らはもう、過去の過ちに振り回されない。

「そか」

 旅をしているあいだに、二人は絆を深めているようだった。

 凄く嬉しいけど、ちょっとだけ寂しいね。