「なんで──!?」

 さらに続いて降りてくるリャシュカ族のみんなに泣きそうになりながらも、ぐっとこらえて親友を見つめた。

「魔導師たちだよ」

「え?」

 魔導師の長の娘であるミレアは、シレアたちを助けて欲しいと評議長を賢明に説得した。

 魔導師たちが感じている危機感を、他の種族に理解出来るように伝える事は難しい。

 俗世間とほとんど関わろうとしなかった彼らが、これほどまでに懇願するのにはよほどの事があるのだろうと、レイノムスは聞き逃さすことのないようにと慎重に耳を傾けた。

 ウェサシスカが一度、襲撃されていなければこれほど素早く対応しなかっただろう。

 マノサクスの手紙もあって、評議会は重い腰を上げた。

「それで討伐隊を編成したってわけ」

「そうか」

 信じてくれたんだと水色の瞳を輝かせた。

 そうとなれば俄然、気力も湧くというものだ。