「兄貴……?何、してんの?」




 すぐ後ろから、先輩に似た少し低い声が聞こえると同時に、私の腕を掴んでいる先輩の手の上に、大きな掌が置かれた。



「ひゃっ」


 驚く暇もなく、先輩に掴まれてるのと逆の腕を後ろに引かれ、先輩の腕から逃れられたことに安堵しつつ、自分を庇う様に目の前に立つ長身の男に目を向けた。