本当は今日一日、冷静なふりばっかりして、いつも、どんなときも弥生のことしか考えられなかった。

なんで?

そんな疑問はとっくに気づいてた。

昨日の涙から、出会ったあの瞬間から、俺は弥生に惚れていたのだから。


俺は素直で屈託のない笑顔をする彼女に惹かれていたのだから。



でも、もし俺が弥生の肩を抱いて、弥生に応えるとしたら弥生はどうするんだろう。





――――逢いたかった――――




この言葉は俺を好きという意味なんかじゃない。
分かってるのに、それでも嬉しいと思っている自分がいるんだ。