「安輝!!」


後ろから、大きな声で俺を呼ぶ声はすぐにでも泣きそうな声だった。

俺は後ろを向いて彼女を見た。

少し小走りで、俺に近づいてくる。


「ごめんね!でも会いたかったの。
また、どうしても逢いたかったの!」


息を切らして走りながら大きな声で言った彼女は
少し苦しそうだった。


「弥生…」


俺は静かに弥生の方へと近づく。




一歩、二歩、…三歩と。
お互いがきちんと向き合ったとき、
俺たちの関係が、そこから始まったような気がした。