「お前らしいよ」

俺は晋司に向かって微笑みながら言った。


本気になれる晋司が羨ましいよ。


「安~輝っ!!」

そう思ったとき、甲高い声で俺の名前を呼び、いきなり後ろから女が抱きついてきた。

こういうことをする女はひとりしかいない。

「朱里!お前重い!」

朱里は昔、俺の彼女だった。

体の関係だった、って言ったほうが早いかもしれない。


「いーじゃん!
それより、安輝、彼女と別れたんだってね~?」



「あ~うん。フラれた」

6ヶ月付き合ってた彼女と俺は昨日フラれたことも思い出した。

今まで付き合ってた中で、一番最長だった。


付き合ってた相手は束縛だってしなかったし、軽い関係だったから。


最近俺は放置ばかりしていたから、きっとそれに耐え切れなかったんだと思う。


「またフラれたの?今回は結構長かったのにね」

「まーね」

「あたしが慰めてあげようか?」