「お前、勘違いしているんだよ…
頼むから、俺の話聞いてくれよ…」

俺は二人のやりとりをまた、ただ呆然と見て聞いていた。



全然理解できない二人の会話にひとつだけ分かることがある。





こいつらはまだお互いに好きなんだ。





馬鹿馬鹿しい。


付き合ってられねえよ。


せいぜい二人でずっとイチャついとけよ。


マジでそう思う。




俺の体は熱くなって拳に力が入る。

怒りなのか、なんなのかは分からないが無性に腹が立った。




この理由に気づくのはまだ先のこと。