「こんなチャラチャラした奴にそそのかされたりしたんじゃねえの?
お前はすぐに騙されるからな」

完全にキレている弥生の元カレは怒りをどこかで抑えている。


きっと今、キレている最大の原因は俺だ。


俺が弥生と今まで一緒に居たということを知ったからだ。


どんなに秀才でも、金持ちでも、誰だって嫉妬する。


「何言ってるの?
そんな言い方ひどいよ!安輝に誤って!」


「もう話してる暇なんてないから…
ほら、帰るぞ!」


そう言って男は弥生の腕を強く引っ張るように握り、無理やり帰らせようとしている。


「やめて…痛い!離してっ!」


弥生の嫌がる顔を見て俺の体は気づいたらすでに動いていた。