「あ…あたしの家ここなんだよね」

弥生が指を差し出した方向に目を向けたらそこには立派で華やかな一軒家があった。


「でかっ」

おれはその光景に思わず目を丸くする。

家は俺の家の二倍ぐらいの大きさで、門が二つもある。

庭なんて、池があるくらいだから弥生は金持ちの娘だと思った。

この住宅街のなかでも弥生の家はダントツで大きくて立派だ。


「ええ?普通だよ」


どうみたって普通じゃない…


俺はあることを思い出した。


「弥生の学校聖鵬だったもんな。」



俺はすごく身の重さを感じた。


初めて自分の身分を区別されたようでこの制服を着ていることがとても恥ずかしくなった。