「ごめんって。今度からは気をつける。」

「…ハァ。乗れよ。どうせお前のことだから携帯がないか、充電が切れてるんだろ?」


そう言って、俺と晋司はニケツして学校に向かった。


俺はこいつのおせっかいや、真面目なところはたまにうざいと思う。


でも、俺が困ったときや、悩んでるときに一番早く気が付くのは晋司だけだ。
俺はきっとこいつのまっすぐなところが好きなんだろう。

そんなこと、頑としてもこいつには言わねえけど。


「俺、ついてねぇー」


「ばーか。お前、俺に出会ったからついてんじゃん」



このとき、晋司の言った言葉に
「あ、そうかも」と一瞬でも思った俺は馬鹿だ。





ぎりぎり、遅刻をせずに学校に着いた。


学校でもまた俺はついていない。


昨日何年ぶりにやった数学の宿題も、今日忘れてしまうし、
生徒指導の板倉にはピアスのことで一時間も説教される始末。





なんせ一番きつかったのは、半年付き合ってた彼女に振られたこと。