「今まで、自分から行った恋は全部振られてるわけ。
振られる理由はいつも一緒なんだよ。
『友達以上だけど、彼氏にはできない』ってさ。いわゆるあれだ。
【友達以上、恋人未満】ってやつ?」

真剣に話す晋司は、本当に悩んでるみたいで、
「どうしたら恋人以上になれるか?」とみんなに相談してきた。


「…友達以上と恋人未満ってどう違うわけ?
スットプをかけるかかけないかの違い?」


俺の唐突すぎる質問にみんな目を丸くしている。



「ストップ?」



弥生も俺の言ってる意味が分からないらしく、きょとんとした目で尋ねてきた。



「だっておかしいだろ。
俺は友達と思ったらもうそこでストップがかかるから。
最初から友達だって思ってる人はずっと友達だし、そこから恋なんて芽生えない。
だから最初から友達は友達なんだよ。恋人は恋人だし。以上とか未満とか実際は言ってること同じだろ?」


「…でも、友達から恋人に芽生えることはあるよ」


弥生は真剣な顔で静かに言った。


「…例えば?」


俺には分からない。


「最初から自分にストップかける人っているかな?
もうこの人は友達って区切っても好きになることってあると思う」