「坂田南だよな?俺、覚えてる?」
「…なにを?」
「え?」


あ、優という存在を覚えているかということか!!
覚えてる?なんて聞くもんだから「約束」のことかと思った。

「ん。覚えてるよ。」

「これからよろしくな」

そう言って優は教室を出て行った。

その背中が小さいころに見ていた背中と違い、
大きく、なんだか温かかった。

心臓の音がさっきよりちょっと早くなったのがわかったけどあたしにはまだ分かってなかったんだと思う。


恋なんてもう無縁だと思ってたから。