「今日の君が可愛いからつい、ね。」

俺の容姿と言葉はお金に変わる。それを知ったのは高校生の頃だった。

ほら、今隣にいるコイツだって、どこからどう考えてもお世辞なその言葉に本気でうっとりしている。

バカな奴。

いや、こんな女に貢がせて、クリスマスまで無駄に過ごしている俺のほうがバカか。

なんだか可笑しくて、
自分が可哀想で、

笑った。

少し滲む視界に映るイルミネーションが、無言で俺を責めているように感じて

ただ、逃げるために嘘の愛を囁いた。