「逢坂(おうさか)!?」





急に名前を呼ばれて顔をあげると、


「‥え!?さ、佐々木先輩?」



うそっ!



「わー!久しぶりだなぁー!元気だったかー?」



「は、は、はいっ!」



うそっ!うそっ!
信じられない!



先輩に会えるような気がして、
いつも予備校帰りはここに寄っていたけど、



まさか本当に会えるなんて!!!


「ははっ!一瞬、髪の毛が長くなっててわからなかったけど、
やっぱ逢坂変わってないなぁ!」



先輩も、すごく大人っぽくなったけど
笑顔は全然変わってない‥。




なんだか胸がいっぱいになって
言葉が出なくなってしまって


微笑むことしかできなくなってしまった。




「お?逢坂、なんか綺麗になったんじゃないか?」




黙りこくってるわたしに、先輩がさらっと言うから、


かーっと赤くなってしまう。



「な、なに言ってるんですか!?
とゆーか、先輩、なんでここに?」



恥ずかしくなって、
早口で聞く。



「あぁ!予備校にちょっと顔出してさ、
逢坂いなかったから、探したよ」



にこって笑いながら、先輩が言う。