佐々木先輩は、ひとつ上の先輩で、
去年、卒業してしまって少し遠くの大学に通っている。
学校でも相当目立っていたし、人気だったけど、
予備校が一緒じゃなかったら、
わたしなんかが、知り合いにはとてもなれなかったと思う。
女子にはもちろんモテモテだったけど、文武両道で、
男子や、先生たちの信頼も厚かった。
そんなすごい存在のひとが一緒の予備校にいるってゆうのはすぐ気付いたけど
自分から接点なんて、作れるはずもなかったし、
恐れ多くて、作ろうともしなかった。
そんな先輩が、ある日
「あれ?君、うちの二年生じゃない?」
って、突然、話しかけてきてくれた時は
ほんとにほんとに
びっくりした。