「ほんと、ひとりで帰れますから、大丈夫ですよ‥?」
「‥いいかげん、しつこい。もう、電車乗っちゃったから」
―しつこい。
シュンさんの毒舌、きついなぁ。
「何回も断られるとへこむから!
俺が送りたいから送る!おっけー?」
まるで小さい子を、あやすような言い方。
「おっけーです!」
ちょっと笑いながら、答える。
シュンさんって見た目ほど怖くないのかも。
笑いながら、ちょっと失礼なことを彼を見て思う。
外見を含めて、明るく爽やかで優しい先輩と、
クールで、少し取っ付きにくそうな感じがする目の前の人はとても対象的だ。
「そーいえば、佐々木先輩と、お知り合いなんですよね?」
「あー‥大学一緒」
「そうなんですね!
先輩と同じ大学なら、シュンさん?も頭いいんですねー」
「あ。おれ、瞬介ね。合田瞬介」
「あっ!わたしは、逢坂 明日美(あすみ)です!」
今更、自己紹介って‥。
ちょっと、おかしくって笑ったら、
瞬さんも笑ってくれた。