修二は楽しさにはしゃぐ観客達に囲まれながら、物思いに耽った。


今日で、何の収穫も得られなければ、彼女は終わりだ。


諦めるしかないだろう。


だが、と思い直す。


この子なら、大丈夫だろう。


かつての俺だって、気付けたんだ。


修二はそんなことを思いながら、遠くにあるステージを眺めた。



そして、ゲームに夢中になる一歌の横顔に視線を移す。


ここから、どうなっていくかは、全部君次第だ――……。