あともう少しか?



「エレナ、起きろ。」


今度は背中を揺すりながら、少し声を大きくする。





すると――――


「んー……ゃ……」


あろうことか、更に抱きつかれ頭を押し付けてくる。

まるで子供がいやいやと首を振る様にして。

理性の限界だった。



「ッ……エレナ!」


バッと無理やりエレナの身体を引き離し、起き上がる。

大きな声で声を変えられた本人はと言うと…



「んっ………シル…バ…?」


ベッドに沈んだまま、目を瞬かせ、やっとのことで目を覚ます。

…と言っても、まだ完全ではなく……

焦点の定まらない銀色の瞳がトロンとこちらを見上げる。



ドクンッ……――――

心臓がすぐさま反応して鳴る。




「もう朝だぞ。」


それを誤魔化す様にして声をかけるが…

エレナはまだ俺の服を放さない。