「私と一緒にくる…?」
そう聞けば…
キャン!…と無邪気な答えが返って来る。
けれど、これはただ吠えてみただけかもしれない。
そう思って立ち上がり、少し歩いてみた。
スタスタ…――――
タッタッ…――――
チラリと後ろを振り返れば、尻尾を振りながら私の後をついてくる子犬。
小走りをしても、それについて走って来る。
間違いない…
完全に私の事を親だと思っている。
けどどうしよう……
この子を飼うにしろ、私の一存では決められない。
あの王城に暮らしているけれど、主はシルバ。
シルバの許可なく飼うことなど出来なかった。
シルバは承諾してくれるかしら…
不意にシルバの方を見れば、何やら難しそうな顔でウィルと話している。
話しかけづらい……
声をかけるタイミングが分からず、まごついていると―――