シルバも後に続き、視界が開けた場所へ馬を移動させる。
ヒラリ…――――
高い馬から軽々と降りるシルバ。
そして……
「来い。」
下から手を差し伸べるシルバ。
「………」
その手を無言でとれば、身体を支えられながらゆっくりと下ろされる。
ありがとうも言えないなんて可愛くない…
素直になりきれない自分に、意地を張るんじゃなかった…と落ち込む。
ストン……―――
浮いていた体が地面に下ろされる。
暫くぶりに地に足をつけた瞬間…
ガクッ…――――
「ッ………!」
よろめいた身体をシルバが咄嗟に支えてくれた。
「ずっと馬に揺られていたから足が痺れているんだ。湖で脚を冷やしてこい。」
シルバの言葉に、キュッと胸が締め付けられる。
「ありがとう…ございます。」
そう言うのが精一杯だった。
何とか自分の足に力を込め、近くの湖へ行くために地面をしっかりと踏みつける。